電話の元となる機器を発明したのは、アメリカのシカゴで工場を営んでいたイライシャ・グレイだです。
このグレイは1874年に、電池をつないだ電磁石を手でなぞると音が発生するという実験を成功させました。
これを聞きつけたのが、ボストン大学のグラハム・ベルでした。ベルはグレイの実験をヒントに、独自の技術を加えて電話を完成させました。
ベルの電話は、送信側では振動板で受けた音声の波は電磁石を介して電気信号に変換。
受信側では、電気信号の波を電磁石で振動に変換し振動板から音を出していました。
日本での伝わり
日本では海軍が早くから艦船及び陸上通信所間の交信用に研究を始め、1908年の観艦式において、軍艦浅間、三笠、香取と神戸税関の間での実験が行われました。
次いで1910年1月より海軍水雷学校からアーク式送信機により送信し、軍艦敷島および阿蘇で受信する仕組みの実験を行い、「アークノ音低シ」「言語約八十パーセント諒解」等という結果が得られました。
一方、1912年に逓信省電気試験所の鳥潟右一、合資会社石杉社(後の共立電気、アンリツの片方)の横山栄太郎、北村政次郎が「TYK式無線電話機」の発明とこれを用いた三重県の鳥羽 - 答志島 - 神島間で船舶との通話を行い、一般にはこれが最初と言われています。
その後比較的早くに真空管が開発され、各国における無線電話の実用化は急速に進みました。
00.プロローグ